カローラツーリングの特徴

カローラツーリングはカローラシリーズのステーションワゴンです。数少ない国産のコンパクトステーションワゴンの一台でありスタイリッシュなデザインや、実用性の高いラゲッジスペース、さらに高級感あるインテリアや充実した装備によって根強い人気を誇っています。そんなカローラ ツーリングの特徴について解説します。

カローラツーリングはいわゆるステーションワゴンですが、実用性を重視したライトバン的なスタイルではなく車高の低さが強調された非常にスポーティなフォルムがとても魅力的です。ルーフラインは緩やかなカーブを描いてリアに向けて下がっておりシューティングブレイク（クーペのような流線型のスタイルを持つスポーティなステーションワゴンのこと）のようで躍動感があるスタイリッシュなデザインをもっています。

また高級感あるインテリアも特徴でダッシュボードは水平基調のデザインで高さを抑えることで前方の視界を確保しています。全体がソフトパッドで覆われており手触りや質感も優れ、スイッチ類もごちゃごちゃと配置していないのでとても高級感があります。

中央には大型の液晶モニターがそびえたっておりモニターの視認性は抜群。液晶モニターのサイズは8インチで、ディスプレイオーディオが標準装備となっています。上級モデルではドアアームレストやドアトリムショルダーなどにも合成皮革が使われており、カローラですが高級スポーツワゴンといってもいいくらいの上質さがあります。

それでいてステーションワゴンらしくラゲッジスペースも十分広く実用性も満点。さらに、ハイブリッドなら動力性能も高く燃費性能も抜群。スポーティでスタイリッシュ、上質で経済性にも優れているといった多彩な魅力を持っているのがカローラツーリングなのです。

カローラツーリングの価格は2,070,000円～3,048,000円です。定番のファミリーカーカローラと考えると高額な気がしますが、カローラツーリングは従来のカローラよりも車格も質感もアップしており妥当な設定でしょう。この価格で高級感満点のスポーティなステーションワゴンが購入できると考えるとむしろお得といってもいいかもしれません。

カローラツーリングは全グレードオートエアコン装備で、ヘッドライトやリヤコンビネーションランプは全車LEDです。さらに上級グレードのW×Bには17インチのアルミホイールが標準装備（XグレードとGグレードはスチールホイール）となっています。

ディスプレイオーディオもGグレード以上は8型サイズが標準で、G以上ならオプションで10.5インチにアップグレードすることも可能です。また、充電用USB端子なども搭載されています。

前席のシートヒーターはGとW×Bグレードにオプション設定で、W×Bでは合成皮革＋レザテックシート（XとGグレードはファブリック）や TFTカラーマルチインフォメーションディスプレイなどの豪華装備が装着されています。

ステーションワゴンとして気になる荷室容量は392Lです。スタイル重視のためかスペースは決して広くはありませんが、それでも後席シートバックを倒せば、最大で802Lも容量が確保できるので実用性は十分といえるでしょう。

パワーユニットは2種類でガソリンエンジンとハイブリッドが設定されています。ガソリンエンジンが直列3気筒1,500㏄でハイブリッドが1800㏄ガソリンエンジン+モーターです。ハイブリッドはシステム最高出力 103kW［140PS］でガソリンエンジンは最高出力88 kW［120PS］というスペックで、どちらもパワーは十分です。

モーターを使用するハイブリッドのほうがトルクも厚く加速性能も高いですが、ガソリンエンジンでもさほど不満は感じないはずです。カローラツーリングはまた重心も低くボディ剛性も高いので路面のトラクションをしっかりと伝えることができコーナリングもスムーズです。

さらに、ハイブリッドなら路面の凹凸に応じて、モーターのトルクをリアルタイムに制御し、車体の上下の縦揺れをコントロールして滑らかでフラットな乗り心地も味わえます。見た目通り上質乗り味がカローラツーリングの良さでもあります。

安全装備に関してはトヨタの予防安全機能「Toyota Safety Sense」が全グレードに標準装備。ブラインドスポットモニターやパーキングサポートブレーキ（後方接近車両）、プリクラッシュセーフティ（交差点左右折支援機能、低速時加速抑制機能、緊急時操舵支援機能）にパーキングサポートブレーキ（前後方静止物）、さらにドライブスタートコントロールやレーダークルーズコントロール（全車速追従機能付）などがセットで装備されています。

カローラツーリングのWLTCモード燃費は以下の数値の通りハイブリッドもガソリンエンジンも非常に優秀です。荷物を満載した状態で長距離を走りこともあるキャンプでも問題なく楽しめるでしょう。

• ハイブリッド2WD　 27.3～29.5㎞/L
• ハイブリッド4WD　 24.9～27.8km /L
• ガソリン2WD　 17.8～19.1㎞/L

グレード構成はシンプルです。エントリーグレードがX、中間グレードがG、そして上級グレードがW×B（ダブルバイビー）といった3種類で、それぞれにガソリンエンジン車、ハイブリッド車があります。さらにハイブリッドには2WDと4WDが（ガソリン車には4WDはなし）設定されています。

カローラツーリングはCセグメントのカローラセダンをベースとしたステーションワゴンです。国産ブランドではステーションワゴン自体数が少ないため、似ているクルマというとかなり絞られます。

一部グレードが現在も販売されているカローラツーリングの先代に当たるカローラフィールダー。スバルのインプレッサやレヴォーグ。また車格は上になりますがマツダ6ワゴンなどが同じステーションワゴンということで似ているクルマといえるかもしれません。

カローラツーリングはデザインが良く高級感もあるので輸入車のような上質なステーションワゴンに乗りたいという方に向いているのではないでしょうか。また、ワゴンだけに荷室も広く重心が低いため走行性能に優れ、ハイブリッドなら燃費も優秀ですのでアウトドアレジャーなどでロングドライブを楽しみたいという方にもおすすめです。

ただ注意したいのが車内のスペースに関してです。3ナンバーサイズのステーションワゴンなので5人乗車でも余裕があるように思えますが、後席スペースは車体サイズの割には思いの外タイトなので、後席に快適性を重視する方は購入前に一度試乗などをして、後席に乗る予定の家族の不満がないかなどを確かめたほうがいいかもしません。

カローラツーリングは今や数少ない国産ステーションワゴンですが、ベストセラーであるカローラがベースだけあってデザインや動力性能、経済性などトータルで非常に完成度の高い一台となっています。ライバルはどんどんラインナップから消えてゆき今やステーションワゴンファンにとって最後の砦とも言えますが、価格も手ごろでかつワゴンらしい実用性の高さもあってファンからは根強く支持されています。

SUVやミニバンが人気のため、どうしてもステーションワゴンを忘れがちですが、実用性にも優れ、重心の低さゆえの鋭い走りやピッチングの少ない乗り心地の良さが味わえるカローラツーリングにあらためて注目してみると、きっとテーションワゴンならではの魅力に気づくことができるはずです。